電子書籍はじめての体験!
「本はやっぱり紙の本よ」と思ってる私が、初めて読んだ電子書籍は、Kindleの文芸カドカワに載ってる今村夏子の「父と私の桜尾通り商店街」。駅前商店街にあるパン屋の父と娘の物語。今村さんの「あひる」は、我が出版社の文芸誌「たべるのがおそい」の創刊号に掲載され、なんと、今年の芥川賞にノミネートされ、小さな我が出版社では、テンワヤンワの大さわぎだったんですよ。結果は残念だったんだけど、かなり高い評価をいただきました。ほっ。
今村さんは、すごく寡作な方で、芥川賞ノミネートを含めても4作品くらいしか発表してなくて、『あひる』を読まれた方はお分かりいただけると思うのですが、かなり不思議な魅力があり、中毒性があるので、ほかの作品がどうしても読みたくてたまらないんです。2011年に三島由紀夫賞を受賞した『こちらあみ子』もしかり。読みたくて読みたくて。そしてもう一作が電子書籍にだけあるのを知り、初体験となったわけです。
この物語もいつものように淡々と語られ、いつものようにちょっと切ない人間模様を描いた小説。普通の人の話だけど、不思議だけど、いい感じの読後感があるのは何なんだろう。
また、中毒性を刺激された私は、次の作品を心待ちにしています。(瀬川)
釜山に行ってきました!
主に制作の仕事をしています。著者の原稿を本の形に作っていく毎日ですが、著者としても参加している本があります。たまたまテレビで観た韓国のエンタメニュースで一人のアイドルにハートをわしづかみにされてから8年あまり…追っかけの日々。ついに好きが高じて、『ぐるぐるプサン2013』から著者として参加することになったのです!
初めての本ができてからあっという間に時はすぎ忙しい毎日。そんな中、久しぶりに友人とソウルへ遊びに行って心身ともに韓流になっているところへ、今度はぐるプサメンバーから釜山行きの誘いが。次のぐるプサを出すべく、久しぶりに行ってきました釜山、2泊3日の旅。
自分たちのやりたいこと、行きたいところをメインに、あちこちをまわって、地図や情報に変更がないか、掲載店が今もあるかなどをチェック!エステを体験したり、人気の味を確認したり。地下鉄で移動したら、ひたすら歩いてぐるぐる。今回行ったお店はどれもハズレがなかったので、早く本に反映させたい!
エンタメ班の私が外せないのは街角で見かける韓国俳優、アイドルたちの写真のチェック。いろんなジャンルの商品でキャラクターになることは人気のバロメーターなんですが、久しぶりに来て感じたことは、ずいぶんメンバー変ってる…そして、キャラクターのアイドル起用が減ってる。メインのアイドルたち(私のハートを盗んだ彼も)が入隊中というのも影響してるかな。
店も人気者も刻々と変っている韓国なのでした…。そして次のぐるぐるプサンを早く出さなくちゃと思ったのでした!
『ぐるぐるプサン』よりも先に、KanKanTripシリーズから少し落ち着いた釜山の本が出ます。『おとなの釜山 歴史の迷宮へ』。韓国に魅せられたご夫婦が何度も足を運んだ釜山と釜山から少し足を延ばして韓国南部への旅。観光スポットはもとより、悠久の歴史を刻む寺やバラエティ豊かな各地の名物料理など、夫婦それぞれの視点でていねいに綴った本になってます。韓国ドラマ好きのお二人なので、ちょこちょこドラマシーンもでてくるとこも私的にうれしい。ぜひ釜山の新しい旅のお供にどうぞ!(黒木)
小説を読むたのしみ
今村夏子さんの芥川賞候補騒ぎで、1カ月もの間、さまざまなことを楽しませてもらった。今回残念だったけれど、今村さんの創作の秘密を知ることもできたし、何よりありがたかったのは、今村さんが言われた言葉「久々に最後まで小説を書き上げることができたので、『たべるのがおそい』は、自分にとってとても大切な本です」と言ってくださったこと。
多くの読者の方が次作を楽しみに待っていてくださる、それが今村さんの書くエネルギーになりますように。
長い間小説を書いてきた友人がぽつりと言った。「田島さん、わたし何十年も小説書いてきたけど、今回『あひる』を読ませてもらって、ああ、小説ってこんなふうに書けばいいんだなあと思ったのよ、『あひる』に出会えてよかった」と言われた。
今村さんが小説を書くとき、手法を持っているかどうかはわからない。たぶん、すごく自然体なんだと思う。
「たべるのがおそい」2号もいま、原稿待ち。8月はじめには、ほぼ全貌が見えてくる予定。創刊号がこれほど注目されると、2号へのプレッシャーも大きい。まあ、それは考えなくてもいいはず。きっと人はすぐ忘れる。ただ、作り続けるしかない。認知されるには、3号ぐらいまではかかるかなあと思っていたけど、今度のことで認知度は高まった。ありがたいことで、これで、次号もたくさんの読者に読んでもらえるかもしれないではないか。次号発刊は10月の予定。
「たべるのがおそい」は、文学ムックだ。雑誌と本の中間。カタチは雑誌だけど、登録は書籍。読みやすいサイズ、持ちやすいサイズ、と思うのだけどどうだろう。私は今回、小説を読むたのしみを再発見した人も多いのではないかと思う。映画やドラマ、小説はもちろん詩や短歌も、観るたのしみ、読むたのしみがあるが、小説は想像力を求められる。出てくる人物や情景など、想像しながら読む。読んでいるうちにいつの間にか、その中のだれかに吸い寄せられていき、小説の中の世界を自分が生き始める。この人物は自分と同じだとか、こんな人物はいやだなあとか思う。そしてその先を想像し、小説の中に入っていき、いつの間にかその人物の行く末を思い描く。そうして、小説は人生に寄り添ってくる。忘れた情景を思い出す。
書店に行くとくらくらするぐらい本の洪水に見舞われる。でも、じっと見ていると、向こうから語りかけてくる。ふと手にした本をもとめ、読んでみる。情報だけに頼らずに書店での出会いを楽しみたいと思う。(田島)
モーニングで読書。
ただいま、小学3年生と0歳児を子育て中。会社を定時で退社したら、寝かしつけまで座る暇なく、やっと一呼吸ついて、テレビやらSNSなどを見ているともう寝る時間。なかなか落ち着いて本を読む時間が取れないので、本を読むのは、モーニングやランチでのすき間時間。最近は、本を読むために、モーニングに行っています。
4月から保育園に預けられるようになったので、こうやって本を読む時間もできて、そのタイミングで読んだ『たべるのがおそい vol.1』(校正なども今回関わらなかったので、本になってから初めて読みました!)が隅から隅まで面白くて、本読むスイッチが入りました!『こちらあみ子』『爪と目』と読んで、今朝読み終わったのは西崎憲さんの『世界の果ての庭』。たべおそ掲載の「日本のランチあるいは田舎の魔女」がとっても面白くて、これはほかの作品もぜひ読みたいと。『世界の果ての庭』もこの小説の世界にずっといたいと思わせる、心地よいストーリーでした。女性作家と、その祖父の話に、女性作家の書く物語「寒い夏」、研究していたイギリスの庭園の話に、出会った米国人スマイスに、その大伯父の話、江戸時代の国学者、辻斬りなど、いくつもの話が同時進行し、次々と紡がれていく。2回、3回と読んでいくとまた違った読み方ができそうで何度でも楽しめる小説だなと。たべおそでもぜひ西崎さんの新作読んでみたいです。(池田)
世界の果ての庭 (ショート・ストーリーズ) (創元SF文庫)
- 作者: 西崎憲
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2013/04/26
- メディア: 文庫
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出版はヤクザな商売⁉︎
先日、あるパーティーで友人とワインを飲みながら、おしゃべりしていたとき、友人はニコニコしながら「息子がね、出版社に就職したいって言い出したのよ。駄目!ヤクザな商売、絶対駄目!って許さなかったわ」。ムムム‥。ゲゲゲ‥。
私「え〜、なんで出版がヤクザなんです?」友人「だってヤクザじゃない。売れるかどうか賭けみたいなものでしょう。安定した職業に就いてほしいのよ」
私「ハ〜〜」。
本を作るって、すごく楽しいことですよ。著者さんとの出会いがあり、著者さんの思いを一緒に一冊の本にする。本の先には、書店があって、その先には読者がいる。本に挟んであるハガキに本の感想を書いて送ってくださったのを読むのも楽しみだし。
だから、ヤクザと言われても、本作り止められませんね〜。😄 (瀬川)
福岡マラソン、またハズレ
私は、基本的には毎日走っている人です(雨とか降るとさぼりますし、飲み会などに誘われるとそっちへ行きますが)。そして、走ることで人生が変わったと日々実感しています。
どう変わったかというと、ラン仲間がいっぱいで、若い男性から渋い男性までボーイフレンドが増えた!かわいくて若い美ジョガーともお友達になれた!20代の体重に戻った!娘と一緒に国内から海外までのいろんな大会を走る旅が楽しめて仲良し母娘でいられる!などなど、数え上げればきりがないほど私の人生変わりましたよ。
なのになのに、地元の大会、福岡マラソン、今年もハズレました。(;_;)
あ〜〜、くじ運悪し。最近、ランナーが激増して、なかなか好きなレースに出られなくなりましたね〜。
激増したランナーの中には、もしかしたら私の著書『走ることで人生が変わった』を読んでくださって「走ろう」と思ってくださった方がいたのかもしれない。世界的な記録を持つランナーからスロージョグを楽しむ人まで27人の「走る」理由を、まだ読まれてない方、ぜひ読んでみてください!
なんて言うと、ますます福岡マラソンの競争率上がるかなぁ。😄😄
2016年7月8日号シティリビングにも本の紹介をしていただきましたよ〜。😄(瀬川)