出版や本の話いろいろ

医療現場の「前線」から(田島安江)

歌人の犬養楓さんから、問い合わせをいただいたのは昨年の12月7日、まさに新型コロナウイルス禍の第3波が猛威をふるい始めた頃だった。救急専門医として「今まさに第3波で悲鳴を上げる医療機関の内なる声や現実を集めた最新の短歌連作を紙の歌集として出版…

街の本屋さんが楽しいですね~。

久しぶりに「つれづれkankanbou」につぶやきます。昨年末以来のご無沙汰で、本年初のつぶやきとなります。遅ればせながら今年もつれづれkankannbou……どうぞよろしくお願いいたします。 近頃、旅に出ると小さな本屋さんを巡るのが楽しみになりました。だって…

営業と出張と

はじめまして。書肆侃侃房で営業を担当しています、園田と申します。営業といってもさまざまですが、ぼくはおもに本屋さんへの新刊案内や受注、発送、ホームページやfacebookなどSNSの管理をやっています。 本屋さんがたくさん集まっているのは、やはり東京…

音の記憶からオタク道まで

フリーペーパー最新号「ほんのひとさじvol.4」が12月に発行されました。今回の特集は「音の記憶」。 学生時代はオーケストラ愛好会に入っていてビオラを弾いていた私にとってのそれは、オーケストラのチューニングの音。プロのオーケストラの演奏会で聞く音…

生きることの苦さ

このところの寒さと雨で、窓から見える銀杏並木がいっせいに葉を落とし始めた。社内でも、出来上がってくる本と、年末までにやっておきたいことなどがわっと動いていて、いつも以上に落ち着かない。「たべるのがおそい」vol.1とvol.2や今村夏子著『あひる』…

今村夏子さんの『あひる』がやってきた

出版社をはじめてから、思いがけないことがたくさん起こる。文学ムック「たべるのがおそい」を創刊できたこともだが、そこから今村夏子さんの『あひる』が生まれたこともだ。思いがけず芥川賞にノミネートされたとき、こんなことが起こることもあるのかと驚…

書店と出版社は持ちつ持たれつ

11月5日(土)夜、ブックオカ書店員ナイト「本屋って個人で始めるの大変ですか?」に参加した。書店員の集まりなので書店の話題。トーク登壇者3人とも、最近書店をはじめた独身の若い男性ばかり。福岡、長崎、大分と、規模も場所もさまざまだったが共通して…

道下さん、リオパラリンピックおめでとう!

リオパラリンピックの女子マラソンでみごと銀メダルに輝いた道下美里さん。 リオから帰国したときは、福岡空港に押しかけてみんなでお出迎え。彼女は「おかえりなさい。おめでとう」と歓声を上げるラン仲間に「リオにいるときに不安で気持ちが負けそうになっ…

韓国女性文学シリーズはじまりました

書肆侃侃房の海外翻訳のWoman’s Bestのシリーズで、「韓国女性文学シリーズ」の刊行がスタートしました。一作目の『アンニョン、エレナ』金仁淑(キム・インスク)が先週できあがってきました。金仁淑さんは、韓国で最も権威ある文学賞、李箱文学賞など多く…

電子書籍はじめての体験!

「本はやっぱり紙の本よ」と思ってる私が、初めて読んだ電子書籍は、Kindleの文芸カドカワに載ってる今村夏子の「父と私の桜尾通り商店街」。駅前商店街にあるパン屋の父と娘の物語。今村さんの「あひる」は、我が出版社の文芸誌「たべるのがおそい」の創刊…

小説を読むたのしみ

今村夏子さんの芥川賞候補騒ぎで、1カ月もの間、さまざまなことを楽しませてもらった。今回残念だったけれど、今村さんの創作の秘密を知ることもできたし、何よりありがたかったのは、今村さんが言われた言葉「久々に最後まで小説を書き上げることができた…

モーニングで読書。

ただいま、小学3年生と0歳児を子育て中。会社を定時で退社したら、寝かしつけまで座る暇なく、やっと一呼吸ついて、テレビやらSNSなどを見ているともう寝る時間。なかなか落ち着いて本を読む時間が取れないので、本を読むのは、モーニングやランチでのすき間…

出版はヤクザな商売⁉︎

先日、あるパーティーで友人とワインを飲みながら、おしゃべりしていたとき、友人はニコニコしながら「息子がね、出版社に就職したいって言い出したのよ。駄目!ヤクザな商売、絶対駄目!って許さなかったわ」。ムムム‥。ゲゲゲ‥。 私「え〜、なんで出版がヤ…

本屋に本がない

このところ、書肆侃侃房は福岡の出版社だと必要以上に意識させられることが多い。文学ムック「たべるのがおそい」の今村夏子さんの作品「あひる」が芥川賞にノミネートされたから、ということもあるが、「たべるのがおそい」はどこの書店で買えるのか、とい…