つれづれkankanbou

福岡の出版社「書肆侃侃房」の日々をつづる。

電子書籍はじめての体験!

「本はやっぱり紙の本よ」と思ってる私が、初めて読んだ電子書籍は、Kindleの文芸カドカワに載ってる今村夏子の「父と私の桜尾通り商店街」。駅前商店街にあるパン屋の父と娘の物語。今村さんの「あひる」は、我が出版社の文芸誌「たべるのがおそい」の創刊号に掲載され、なんと、今年の芥川賞にノミネートされ、小さな我が出版社では、テンワヤンワの大さわぎだったんですよ。結果は残念だったんだけど、かなり高い評価をいただきました。ほっ。

今村さんは、すごく寡作な方で、芥川賞ノミネートを含めても4作品くらいしか発表してなくて、『あひる』を読まれた方はお分かりいただけると思うのですが、かなり不思議な魅力があり、中毒性があるので、ほかの作品がどうしても読みたくてたまらないんです。2011年に三島由紀夫賞を受賞した『こちらあみ子』もしかり。読みたくて読みたくて。そしてもう一作が電子書籍にだけあるのを知り、初体験となったわけです。

この物語もいつものように淡々と語られ、いつものようにちょっと切ない人間模様を描いた小説。普通の人の話だけど、不思議だけど、いい感じの読後感があるのは何なんだろう。

また、中毒性を刺激された私は、次の作品を心待ちにしています。(瀬川)

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