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つれづれkankanbou

福岡の出版社「書肆侃侃房」の日々をつづる。

書店と出版社は持ちつ持たれつ

11月5日(土)夜、ブックオカ書店員ナイト「本屋って個人で始めるの大変ですか?」に参加した。書店員の集まりなので書店の話題。トーク登壇者3人とも、最近書店をはじめた独身の若い男性ばかり。福岡、長崎、大分と、規模も場所もさまざまだったが共通しているのは、カフェを併設していること。書籍だけではやっていけないし、とにかく、人に来てもらいたいし、珈琲と本は相性がいい。何より店主が珈琲も本も好き、ということに尽きるようだ。版元との直取引もしているし、取次と取引を始めたところも。書店をやる以上、本の目利きになることが何よりも大事だろう。

こんな人たちがふえて、書店が一つもない小都市に書店が増えるといいと思う。もちろん、お金の問題もあるけど、書店をやろうというのはとにかく、強い決意と意志が必要だといわれた。こうして話を聞きながら、版元も同じだと思う。小さな出版社は、本づくりよりも資金繰り、書店営業に苦労している。いい本を作ったと思っても、書店に本を置いてもらうのも大変だし、本はほんとうに売れない。でも、大手出版社ばかりになれば、最初から売れ筋の本中心になるだろう。ユニークな本はなかなか企画が通らないからだ。小さな版元に頑張ってほしいとつくづく思う。

かくいう書肆侃侃房も、最初の5年、その後の5年とそれぞれ苦労してきた。書店に行っても相手にされないことも多かった。もちろんそんなに露骨ではないが、挨拶だけに終わってしまうのだ。文学ムック「たべるのがおそい」を置いてくれない書店もある。たいていは、いま担当がいないといわれることが多い。それでもめげないことも大事かもしれない。読者がほしいと思う本なら、書店は置かないわけにいかないはずと、ぼそぼそつぶやきながら、書店をあとにする。たまに書店員さんに「書肆侃侃房、知ってますよ。頑張ってくださいね」といわれて、うれしくなることもないわけじゃない。おおむね書店員さんは忙しそうでなかなか声をかけられないけど、こんな時は声をかけてよかったと思う。

昨夜、ついつい、テレビを観てしまった。週刊誌の記者と芸能人がそろう、スクープについてのあれこれがおもしろかったので。事務所の対応次第では、記事内容が変わるとか、お金を受け取ってしまったら、もう記者生命は終わりだとか。駆け引きもおおいという。つまりは、芸能人と週刊誌は持ちつ持たれつということのようだ。

書店と出版社だって、持ちつ持たれつだと思う。書店員が売りたいと思う本を作れよ、と暗にいわれそうだが。