医療現場の「前線」から(田島安江)

歌人の犬養楓さんから、問い合わせをいただいたのは昨年の12月7日、まさに新型コロナウイルス禍の第3波が猛威をふるい始めた頃だった。救急専門医として「今まさに第3波で悲鳴を上げる医療機関の内なる声や現実を集めた最新の短歌連作を紙の歌集として出版できないか」という依頼だった。「メディアでは語られない医療従事者の声を、直接的には言いにくいその思いを、短歌という形式に載せて、世間に届けたいという気持ちと、また第1波、第2波と幾度となく困難に直面してきた医療従事者の忘れてはいけない過酷な体験(診療だけでなく、世間の風当たりなども含めて)の記録として、なんとしても社会に届けたいと思っています」という言葉に心を打たれすぐに、出版しましょうと返事した。年末年始も医療現場にいながら、何度も何度も推敲を重ね、「もうこれ以上いい歌は出て来ません」というところまで、頑張ってくれた。そして、非常事態宣言が解かれる予定だった2021年2月7日を発行日とした。「前線」というタイトルは過去にも歌集はあるが、この歌集の前線とは意味が違う。まさに医療の前線にいるのだと実感できる歌集である。「言葉」の持つ力を信じたい、多くの人にとって、応援歌になりますよう、そんな思いを込めた。

 

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笹井宏之さんの命日に(田島安江)

今日は1月24日。笹井宏之さんの命日だ。

歌集2冊『ひとさらい』と『てんとろり』を出版してからもう、8年が経つ。歌集制作のために通った時間を忘れることができない。あの年、激しく雪が舞った。カバーデザインを持って、伺った帰り。

有田から福岡に戻る途中の高速道路で、車は降りしきる雪に閉じ込められそうになった。やっとの思いで少しずつ進んだ。途中立ち往生していたり、ひっくり返ったりしている車を横目で見ながら。

歌集を命日に間に合わせる、そのことだけを考えていた。

あれから8年。当時は、今の状況、すなわち、短歌ムック「ねむらない樹」の創刊と「笹井宏之賞」の新設など、夢にも思わなかった。

あの、雪に閉じ込められそうな状況からなんとか抜け出せたとき、雪景色の爽やかな明澄さに救われたように、今日もまた、あのときの明澄さが心をとらえる。

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『回転草』『眼がスクリーンになるとき』刊行記念 大前粟生 × 福尾匠トークイベント「書くひとと書かれたひとは書かれたもののなかで手をつなげるか?」

『回転草』『眼がスクリーンになるとき』刊行記念トークイベント

大前粟生 × 福尾匠(司会:黒嵜想)

「書くひとと書かれたひとは書かれたもののなかで手をつなげるか?」

日時:10月7日(日)18時から

場所:出町座(〒602-0823 京都府京都市上京区 出町西入上ル三芳町133 今出川通

参加費:1500円

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『雲を離れた月』(書肆侃侃房)刊行記念 相川英輔 × 倉本さおりブックトーク!

『雲を離れた月』(書肆侃侃房)刊行記念

相川英輔 × 倉本さおり ブックトーク

日時:2018年10月12日(金)19時半から

場所:双子のライオン堂

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福岡の天神に「本のあるところ ajiro」をオープンします。

「本のあるところ ajiro」を福岡の天神にオープンします。

海外文学、短歌、詩、俳句を中心にした書籍の品揃えで、読書会、歌会、句会などのイベントを行なっていきます。

開店しましたらぜひ遊びに来てください。

住所:福岡市中央区天神3丁目6-8 天神ミツヤマビル1-B

プレオープン予定日:2018年9月20日(木)

ツイッター/インスタグラム:@ajirobooks

 

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24時間テレビに『方円の器』友道健氏さんが登場します!

24時間テレビに『方円の器』友道健氏さんが登場します!

放送日:2018年8月25日(土)から26日(日)

【イレブンの快進撃を支えたガンと闘う熱血校長】(広島テレビ

部員数は11人ギリギリ。1〜2回戦退廃が続く大成館中学校サッカー部。地元でも有名な弱小チームが2017年の福山市大会で初優勝という偉業を成し遂げました。一体、何が起こったのか?そのきっかけは、「勝って友道校長を笑顔に!元気にする!」サッカー部を支え続けた熱血校長を襲ったのは…血液のガン。5年生存率は50%だと告げられました。入院直後に生徒たちの前で、校長先生が病気であることを告白した映像が残っています。そこで、友道校長が語った言葉とは…。そして今年、福山市大会で2連覇を成し遂げ、広島県大会に進出した大成館中学校サッカー部は、更なる快挙を成し遂げていました。

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惟任將彥 × 森井マスミトークイベント「塚本邦雄の思い出とともに」ご案内

『灰色の図書館』(書肆侃侃房)刊行記念

惟任將彥 × 森井マスミ

塚本邦雄の思い出とともに」

・日時:2018年9月21日(金)19時から

・場所:丸善名古屋本店1Fイベントスペース

・定員:30名

・参加:無料(要予約)

書肆侃侃房の新鋭短歌シリーズより『灰色の図書館』(惟任將彥)が刊行されました。森井マスミさんをお相手に『灰色の図書館』のこと、塚本邦雄についてなどお話いただきます。短歌に詳しくない方もぜひお越しください。

<出演者プロフィール>

■惟任將彥(これとう・まさひこ)……1975年、兵庫県加古川市に生まれる。歌人日本語教師近畿大学文芸学部在学中に塚本邦雄ゼミに所属、作歌を始める。歌誌「玲瓏」会員。2018年、第28回玲瓏賞受賞。

■森井マスミ(もりい・ますみ)……1998年、近畿大学文芸学研究科に入学。塚本邦雄に師事。作歌を始める。2004年第22回現代短歌評論賞受賞。「玲瓏」編集委員に加わる。2009年に第一歌集『ちろりに過ぐる』で第35回現代歌人集会賞受賞。第二歌集『まるで世界の終りみたいな』。

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