釜山に行ってきました!

主に制作の仕事をしています。著者の原稿を本の形に作っていく毎日ですが、著者としても参加している本があります。たまたまテレビで観た韓国のエンタメニュースで一人のアイドルにハートをわしづかみにされてから8年あまり追っかけの日々。ついに好きが高じて、『ぐるぐるプサン2013』から著者として参加することになったのです!

ぐるぐるプサン 2013

ぐるぐるプサン 2013

  • 作者: 博多ガクガク堂
  • 出版社/メーカー: 書肆侃侃房
  • 発売日: 2012/10/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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初めての本ができてからあっという間に時はすぎ忙しい毎日。そんな中、久しぶりに友人とソウルへ遊びに行って心身ともに韓流になっているところへ、今度はぐるプサメンバーから釜山行きの誘いが。次のぐるプサを出すべく、久しぶりに行ってきました釜山、23日の旅。

 

自分たちのやりたいこと、行きたいところをメインに、あちこちをまわって、地図や情報に変更がないか、掲載店が今もあるかなどをチェック!エステを体験したり、人気の味を確認したり。地下鉄で移動したら、ひたすら歩いてぐるぐる。今回行ったお店はどれもハズレがなかったので、早く本に反映させたい!

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エンタメ班の私が外せないのは街角で見かける韓国俳優、アイドルたちの写真のチェック。いろんなジャンルの商品でキャラクターになることは人気のバロメーターなんですが、久しぶりに来て感じたことは、ずいぶんメンバー変ってる…そして、キャラクターのアイドル起用が減ってる。メインのアイドルたち(私のハートを盗んだ彼も)が入隊中というのも影響してるかな。

店も人気者も刻々と変っている韓国なのでした…。そして次のぐるぐるプサンを早く出さなくちゃと思ったのでした!

 

『ぐるぐるプサン』よりも先に、KanKanTripシリーズから少し落ち着いた釜山の本が出ます。『おとなの釜山 歴史の迷宮へ』。韓国に魅せられたご夫婦が何度も足を運んだ釜山と釜山から少し足を延ばして韓国南部への旅。観光スポットはもとより、悠久の歴史を刻む寺やバラエティ豊かな各地の名物料理など、夫婦それぞれの視点でていねいに綴った本になってます。韓国ドラマ好きのお二人なので、ちょこちょこドラマシーンもでてくるとこも私的にうれしい。ぜひ釜山の新しい旅のお供にどうぞ!(黒木)

おとなの釜山 歴史の迷宮へ (KanKanTrip14)

おとなの釜山 歴史の迷宮へ (KanKanTrip14)

 

 

小説を読むたのしみ

今村夏子さんの芥川賞候補騒ぎで、1カ月もの間、さまざまなことを楽しませてもらった。今回残念だったけれど、今村さんの創作の秘密を知ることもできたし、何よりありがたかったのは、今村さんが言われた言葉「久々に最後まで小説を書き上げることができたので、『たべるのがおそい』は、自分にとってとても大切な本です」と言ってくださったこと。

多くの読者の方が次作を楽しみに待っていてくださる、それが今村さんの書くエネルギーになりますように。

 

長い間小説を書いてきた友人がぽつりと言った。「田島さん、わたし何十年も小説書いてきたけど、今回『あひる』を読ませてもらって、ああ、小説ってこんなふうに書けばいいんだなあと思ったのよ、『あひる』に出会えてよかった」と言われた。

今村さんが小説を書くとき、手法を持っているかどうかはわからない。たぶん、すごく自然体なんだと思う。

 

「たべるのがおそい」2号もいま、原稿待ち。8月はじめには、ほぼ全貌が見えてくる予定。創刊号がこれほど注目されると、2号へのプレッシャーも大きい。まあ、それは考えなくてもいいはず。きっと人はすぐ忘れる。ただ、作り続けるしかない。認知されるには、3号ぐらいまではかかるかなあと思っていたけど、今度のことで認知度は高まった。ありがたいことで、これで、次号もたくさんの読者に読んでもらえるかもしれないではないか。次号発刊は10月の予定。

 

「たべるのがおそい」は、文学ムックだ。雑誌と本の中間。カタチは雑誌だけど、登録は書籍。読みやすいサイズ、持ちやすいサイズ、と思うのだけどどうだろう。私は今回、小説を読むたのしみを再発見した人も多いのではないかと思う。映画やドラマ、小説はもちろん詩や短歌も、観るたのしみ、読むたのしみがあるが、小説は想像力を求められる。出てくる人物や情景など、想像しながら読む。読んでいるうちにいつの間にか、その中のだれかに吸い寄せられていき、小説の中の世界を自分が生き始める。この人物は自分と同じだとか、こんな人物はいやだなあとか思う。そしてその先を想像し、小説の中に入っていき、いつの間にかその人物の行く末を思い描く。そうして、小説は人生に寄り添ってくる。忘れた情景を思い出す。

 

書店に行くとくらくらするぐらい本の洪水に見舞われる。でも、じっと見ていると、向こうから語りかけてくる。ふと手にした本をもとめ、読んでみる。情報だけに頼らずに書店での出会いを楽しみたいと思う。(田島)

 

 

文学ムック たべるのがおそい vol.1

文学ムック たべるのがおそい vol.1

 

 

 

モーニングで読書。

ただいま、小学3年生と0歳児を子育て中。会社を定時で退社したら、寝かしつけまで座る暇なく、やっと一呼吸ついて、テレビやらSNSなどを見ているともう寝る時間。なかなか落ち着いて本を読む時間が取れないので、本を読むのは、モーニングやランチでのすき間時間。最近は、本を読むために、モーニングに行っています。

 

4月から保育園に預けられるようになったので、こうやって本を読む時間もできて、そのタイミングで読んだ『たべるのがおそい vol.1』(校正なども今回関わらなかったので、本になってから初めて読みました!)が隅から隅まで面白くて、本読むスイッチが入りました!『こちらあみ子』『爪と目』と読んで、今朝読み終わったのは西崎憲さんの『世界の果ての庭』。たべおそ掲載の「日本のランチあるいは田舎の魔女」がとっても面白くて、これはほかの作品もぜひ読みたいと。『世界の果ての庭』もこの小説の世界にずっといたいと思わせる、心地よいストーリーでした。女性作家と、その祖父の話に、女性作家の書く物語「寒い夏」、研究していたイギリスの庭園の話に、出会った米国人スマイスに、その大伯父の話、江戸時代の国学者、辻斬りなど、いくつもの話が同時進行し、次々と紡がれていく。2回、3回と読んでいくとまた違った読み方ができそうで何度でも楽しめる小説だなと。たべおそでもぜひ西崎さんの新作読んでみたいです。(池田)

 

 

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走れないから読む。

転んだり、ぶつけたりで怪我が超多いおっちょこちょいの私です。あ〜、また肋骨の骨折やっちゃいました。

走れないストレスには「本」。面白い本読んで気を紛らわそうっと。夢野久作って、オドロオドロシイ世界が理解し難い気がして近づかなかったけど、これは面白かったです。夢野久作4つの恋の短篇集『ユメノユモレスク』。夢野久作の不思議な世界に流れる恋の奇想曲、なんかクセになりそうですね〜。(瀬川)

 

ユメノユモレスク

ユメノユモレスク

 

 

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出版はヤクザな商売⁉︎

先日、あるパーティーで友人とワインを飲みながら、おしゃべりしていたとき、友人はニコニコしながら「息子がね、出版社に就職したいって言い出したのよ。駄目!ヤクザな商売、絶対駄目!って許さなかったわ」。ムムム‥。ゲゲゲ‥。

私「え〜、なんで出版がヤクザなんです?」友人「だってヤクザじゃない。売れるかどうか賭けみたいなものでしょう。安定した職業に就いてほしいのよ」

私「ハ〜〜」。

本を作るって、すごく楽しいことですよ。著者さんとの出会いがあり、著者さんの思いを一緒に一冊の本にする。本の先には、書店があって、その先には読者がいる。本に挟んであるハガキに本の感想を書いて送ってくださったのを読むのも楽しみだし。

だから、ヤクザと言われても、本作り止められませんね〜。😄          (瀬川)

福岡マラソン、またハズレ

私は、基本的には毎日走っている人です(雨とか降るとさぼりますし、飲み会などに誘われるとそっちへ行きますが)。そして、走ることで人生が変わったと日々実感しています。

どう変わったかというと、ラン仲間がいっぱいで、若い男性から渋い男性までボーイフレンドが増えた!かわいくて若い美ジョガーともお友達になれた!20代の体重に戻った!娘と一緒に国内から海外までのいろんな大会を走る旅が楽しめて仲良し母娘でいられる!などなど、数え上げればきりがないほど私の人生変わりましたよ。

なのになのに、地元の大会、福岡マラソン、今年もハズレました。(;_;)

あ〜〜、くじ運悪し。最近、ランナーが激増して、なかなか好きなレースに出られなくなりましたね〜。

激増したランナーの中には、もしかしたら私の著書『走ることで人生が変わった』を読んでくださって「走ろう」と思ってくださった方がいたのかもしれない。世界的な記録を持つランナーからスロージョグを楽しむ人まで27人の「走る」理由を、まだ読まれてない方、ぜひ読んでみてください!

なんて言うと、ますます福岡マラソンの競争率上がるかなぁ。😄😄

 

走ることで人生が変わった: ランナー27人の生き方

走ることで人生が変わった: ランナー27人の生き方

 

 

2016年7月8日号シティリビングにも本の紹介をしていただきましたよ〜。😄(瀬川)

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本屋に本がない

このところ、書肆侃侃房は福岡の出版社だと必要以上に意識させられることが多い。文学ムック「たべるのがおそい」の今村夏子さんの作品「あひる」が芥川賞にノミネートされたから、ということもあるが、「たべるのがおそい」はどこの書店で買えるのか、といわれることも多い。どこの書店でも、買えるのに。というより、注文してさえいただければ、全国どこの書店にもお届けできるのに、と思うのだ。

そう思っていたら、6月30日号の「新文化」に興味深い記事が載っていた。広島のウィー東城店の佐藤友則さんという方が、「ある日を境に人気コミックの配本数が激減。これは死活問題だ」というような趣旨の寄稿文を寄せている。読者の要望に応えるために、図書カードを手に町の他の本屋さんに買いに走っている、という悲鳴にも似た訴えなのだ。どうしてこんなことが起こっているのかは、この長い記事を読んでもらいたいのだが、「町の本屋を大事にしよう」というのはお題目に過ぎず、本が売れないといわれるけれど、それはほんとうなのか。売れる本があるのにその本が入らない、これでは売りたくても売れないではないか、とまあ、そんな悲痛な訴えに満ちているのである。

その最後の言葉はこうだ。

「次世代に本屋をどうやって残すのか。私はその視点で今日を生き、明日を想い、1冊の本を手渡したいのです。」胸にしみる。

版元も同じだ。ちいさな版元の本はなかなか書店に置いてもらえない。読者がほしいと思う本をつくる。それに尽きるのだが。(田島)